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はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

そういうものなのかしら

2020年11月11日 | 雑感

2020/11/11

 

私が日常で見聞したことを軽い気持ちで、承諾も得ないで書くことは、差し障りがあってはいけないと思って、近所で起こったことはあまり書いていませんでしたが、今日は書こうかと思います。

 

一昨日の夕方のことでした。

マンションのエントランスで3人の男女が入ってくるのとすれ違いました。仕事で来た人々らしく、みんな黒い服装で書類を抱えていました。その黒い服装が、なんとなく葬儀関係の人のように感じ、このマンションで誰か亡くなったのかなと思いました。

それきり忘れていましたが、今日、下の階の方と同じエレベーターに乗り合わせました。挨拶程度の間柄ですが、その方はご高齢の母親を自宅介護しています。エレベーターでちょっと話したり、介護ヘルパーさんがやってくるのに出会うこともありました。

その方が黒いマスクをしているのを見て・・私は喪中のマスクのように感じられたのです。

「おばあちゃまはお変わりないですか?」と訊いてみました。

すると少しびっくりしたような顔をなさって、「月曜日に亡くなりました。」と言われたのです。月曜日といったら一昨日です。やはりあの時の3人は葬儀関係の方だったのでしょう。

その方は黙っていてすまないというようなことをおっしゃいました。私も心の準備がなかったので、「そうでしたか。それはそれは・・・」と言っただけでした。

すぐに降りる階に来たので、それ以上のことは話さず、降りていかれました。私は「お大事に・・・」と言ってしまってから、かけるべき言葉はお悔やみだったと思いましたが、でも了解したように頭を下げて行かれました。

エントランスの横に掲示板があって、いろいろなお知らせが貼ってあるのですが、住民の誰かが亡くなったということは出ていませんでした。

今の時代、というのか、都会のマンションでは、というのか、同じマンションに住んでいても、住人の死は知らさないようなのです。

実はこの経験は今年になって2度目です。

隣りのご主人が亡くなったのは3月末。3月末といえばコロナ自粛の真っ最中で、3月29日に志村けんさんが亡くなって、有名人の死ということで衝撃が走った頃でした。

ですが、私が隣のご主人の死を知ったのは6月中旬、もう3か月近く経っていました。

それも部屋をリフォームするので騒音が出ます、というご挨拶で来られた時に、「実は3月に主人が亡くなりまして…」と話されて知ったのです。

隣りの方です。子どももいるし挨拶もするし、親しいとまでは言えないにしても、ちょっとした立ち話もするのです。15年も隣同士で暮らしているのです。

隣りのご主人はまだ60代そこそこ、ときどきお見掛けしていました。心不全で急死だったそうです。それを3か月近く知らされなかったということが、私にはちょっとしたショックでした。

確かにコロナ禍で公共施設も閉まり、外に出ないことも多かったし、出るにしてもなるべく人に会いたくなくて、エレベーターではなく階段を使っていました。マンションの住民に会うことが少ない時期だったと思います。

隣りの方は、管理人にご主人の逝去を伝えたそうですが、掲示板に貼り紙が出ることもなかったそうです。プライベートなことは、自分の意思で知らせるべき人に知らせるというものらしく、同じマンションの住民だからといって、みんなに知らせるものでもないようなのです。

隣りの方も迷われたことと思います。

知らせることによって、葬儀やお通夜に出席するとか、香典はどうするとか、いろいろ気を使わせてしまうと考えたと思うのです。コロナ禍の最中のことで家族葬で送られたそうです。

私は知った数日後、いろいろ考えて、お香典ではなくお仏壇に供える供物(日本茶と菓子)を持っておたずねして、お線香をあげさせてもらいました。お返しは必要ないということを申しました。

このマンションで葬式はどうするのだと考えたことはあります。お棺がエレベーターに入るのかと話題になったこともあります。たぶん入りません。2人の方は住宅内ではなく、亡くなったのは病院でした。

静岡時代は一戸建ての新興住宅地だったので、自宅での葬式もあって、その際にはお宅でお手伝いをしたこともありました。

今は葬儀社に任せて、近所の手伝いは必要ない時代かもしれませんが、同じマンションの隣りや真下の住戸でも知らないというのは、もうそれが常識なのかなと戸惑いを感じています。

それほどお付き合いがないのなら、必要以上に気を廻すことはお互いに不要な時代になって来ているのかもしれません。

 

 

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