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むぎわら日記

自然、読書、模型のことなど

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角田山(稲島コース)2025春

2025年05月08日 | アウトドア(山歩き等)
駐車場ではハナミズキが満開でした。
久しぶりに初心者殺しの稲島コースを登ります。
このコースは、頂上までの距離が短く、短時間で登れ、登山道も整備されいるので、初心者向けと案内されることが多いですが、それを信じて、舐めてかかると大変苦労することになるのです。

その心は、3合目あたりから、階段が整備されており、それが9合目までつづくのです。つまり、登山なのに階段地獄が待っているのでした。登山に成れている人は整備されていて歩きやすいだけなのですが、初心者で階段が苦手な人は苦労します。特に有名な神社の1000段程度の階段で音を上げる人はご用心。
その代わり、事故率が高いと言われる下りが楽なので、登ってしまえば完全な初心者向けコースになります。
1合目手前にある薬師堂は、お祭りのようで、村の人が集まってきていました。
シャガが咲初め、登山道を彩っています。シャガが多い道です。
オオサワハコベも花盛り。
八合目から、晴天の日本海が美しい。
そして、目玉は、九合目の観音堂からの眺めです。
雪を被った飯豊山塊と、水を湛えた新潟平野。水田に浮かぶように村々が点在し、それをつなぐ道が、田園都市である新潟市の象徴です。
観音堂の八重桜は満開。
頂上の山桜は散っていましたが、ナシの花が咲いていました。
若葉も茂ってきて、初夏に突入です。
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『水神』(上)(下)帚木蓬生 (新潮文庫)

2025年05月08日 | 読書
 帚木蓬生が急性骨髄性白血病に罹患し、無菌室で闘病中に書き上げた魂の一作。
 昨今、米価格の高騰を嘆くことしきりですが、先祖の農業にかける苦労を知らずして農業を語るべからずだと思います。
 本書は、水に恵まれず貧しい農村をうるおそうと、大工事を行った江戸時代の農民の苦闘を書いた小説です。舞台は現在の福岡県うきは市の筑後川扇状地となります。扇状地の常として、川が田畑のはるか下を流れるため、大河の脇であるにもかかわらず、その恩恵を受けることなく、日照りとなれば不作となる土地柄でした。
 そこで、大河である筑後川に堰を築き水を引くために尽力する話となります。まず、読者が目にするのは、遥か下方に流れる筑後川に桶を落とし引き上げ、村の水路に水を流す打桶の光景です。二人の農民が掛け声をかけながら雨の日以外の終日、水をくみ上げるのです。それによりほんの少しだけ、村の水路に水が流れるのですが、やらないよりはマシ程度の効果しかありません。しかし、この役に選ばれると体が動かなくなる40年くらい? の間、毎日、苛酷な作業をすることになるのです。
 そんな中、一人の庄屋が村々を回り水路を念入りに調べ上げ、堰を作った時の水の流れを絵図面に書き取る作業をもくもくとつづけていたのでした。
 その庄屋は、他の村の四つの庄屋に、そのことを話します。そして、彼ら五庄屋は、ずっと先祖代々の夢であった水を得るための堰建設に乗り出すのでした。
 反対する他の庄屋や、ひっ迫する久留米藩の財政の中、五庄屋は身代を投げ出し、命をかけて、その願いを成就させるため奮闘します。財政的負担は五庄屋が受け持ち、何かあった時は磔の刑に処されることを条件に藩の強力を取り付け、前代未聞の大型堰を作る作業が開始されるのです。
 作業場には、五つの磔台が立てられる下で、反対する集落も巻き込みながら、筑後川の堰渠、そして各集落の水路の工事が始まるのでした。タイムリミットは、次の田の種もみの準備が始まるまでの期間です。
 嘆願、金策に苦闘する五庄屋と、惜しみない協力をしながらも面子を重んじ磔台を建てた藩、反対勢力である庄屋たち、そして、苛酷な作業の中、奮闘する農民たち。
 それらがかみ合うとき、犠牲を出しながらも、工事は進んでいくのです。
 この作品は、新田次郎文学賞受賞を受賞。
 作者は白血病に打ち勝ち、さらに創作を続けられています。

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