異邦人
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シャロンさん。。。いつ見てもスタイルがいいですねぇ~?うしししし。。。

ありがとうございます。そう言ってもらえるとうれしいですわぁ~。でも、デンマンさんは女性を見れば誰にでもそうおっしゃるのでしょう?
いや、どの女性にも“スタイルがいいですね”と言う訳ではないですよゥ。やっぱり、シャロンさんのようにスタイルの良い女性に限りますよ。
それで。。。、今日はスタイルのお話ですか?
もちろん違いますよ。タイトルは異邦人ですからね。
あ~♪~ら。。。それでわたしの写真を貼り付けた訳ですの?
いや、違いますよ。
じゃあ、どうしてですの?
シャロンさんが日本語ができて英語ができてフランス語ができてバンクーバー市立図書館に勤めているからですよ。

つまり、この異邦人と言うのは本の事ですか?
そうですよ。さすが司書のシャロンさんだなあああぁ~~。。。頭の閃(ひらめ)きがさえていますねぇ~。うへへへへ。。。
ずいぶんとわたしをおだてあげるのですわね?
いや、僕はおべっかを使ってシャロンさんの気を引こうとしている訳じゃないですよ。
では、何のためにごまをするのですか?
シャロンさん、さすがですねぇ~。
ええっ?何がですか。。。?
何がですかって。。。“ごまをする”なんて日本語が飛び出してくる。日本語をかなりしゃべるカナダ人でも、なかなか出てこない日本語ですよ。
わたし、昨日(7月24日)のジューンさんの記事『ごまをする、を英語で?』を読ませてもらったばかりですわ。それで、忘れないようにと使ってみたのですわ。
いや、いや。。。謙遜しなくてもいいですよ。前から知っていたのでしょう。。。
いえ、本当に初めて使ったのですわ。
そうですか。。。
それで、『異邦人』の事でデンマンさんは何かわたしに尋ねることでもあるのですか?
そうですよ。たくさん質問があるのですよ。
たとえば。。。?
日本語版の『異邦人』がないですよね。
まだ、購入していないかもしれません。でも図書館にリクエストすれば希望が多い場合、取り揃える事になっていますわ。
そうですか。
もし、すぐに読みたい場合は InterLibrary Loan Department に連絡すれば、例えばUBC(ブリティッシュ・コロンビア大学)のアジア図書館から日本語の本を借り受けてメンバーに貸し出ししていますわ。
http://www.vpl.ca/branches/LibrarySquare/ill/home.html#How
それは知らなかったなぁ。
それで、デンマンさんは日本語版を借りたいのですか?
いや、もう済んだんですよ。英語版の『異邦人』をネットで借りました。必要なところだけ僕が訳したんですよ。もし、時間があったらシャロンさんも読んでみてください。僕の和訳が間違っていたら教えてください。
■ 『萌える異邦人 (2007年7月10日)』
実は、すでにデンマンさんの上の記事を読ませてもらいましたわ。
ほおォ~。。。読んでくれたのですか?。。。それで僕の訳はどうでした?
とっても分かり易かったですわ。うまい訳だと思いました。
ほおォ~。。。シャロンさんにそう言われるとうれしくなっちゃうなあああぁ~
わたし勉強になりましたわ。わたしの日本語では『異邦人』を訳すのは無理だと思いますわ。
いや、謙遜しなくてもいいですよ。シャロンさんがかなり日本語ができる事を僕は良く知っていますよ。
わたしの記事をいくつか読まれたのですか?
もちろんですよ。シャロンさんの掲示板にある記事はほとんどすべて読んでいますよ。
■ 『シャロンの掲示板・伝言板』
そうでしたの?デンマンさんが読んでくれているとは知りませんでしたわ。ありがとうございます。
次の記事が僕には最も印象に残っていますよ。
■ 『安芸の宮島 -- 日本三景の一つ (2004年10月21日)』

紅葉の写真が実にきれいでしたよ。
そうですか。。。そう言ってもらえるとうれしいですわ。
あの時のGURIEさんはどうしていますか?
GURIEさんは、すでにGOOの掲示板は閉鎖されましたけれど、GOOのブログで続けられていますわ。
■ 『GURIEさんのGOOのブログ』
やっぱり、掲示板よりも最近はブログの方が人気があるのでしょうね。ところで、シャロンさんはブログをやらないのですか?
忙しくてブログをやる暇がありませんわ。掲示板と『ビーバーランド XOOPS 3世』だけで手いっぱいですわ。それで、デンマンさんは『異邦人』の事で、他にどのような質問があるのですか?
実はネットでフランス語の『異邦人』を借りました。

本館まで30分歩いて借りに行くのが面倒だったので、デンマン・ストリートにあるJoe Fortes分館まで届けてもらいましたよ。分館ならば歩いて5分ですからね。
パリの Gallimard社が1942年に出版したものですわね?初版本ですか?
初版本はさすがに無いようですよ。僕が手にしたのは2005年に再版されたものです。
でも、なぜ原語で読む気になったのですか?
それはね、どうしても気になる事があったのですよ。
気になるって。。。?
僕が和訳した部分が英語では次のようになっていたんですよ。
【英訳文】 The Stranger
PART I Chapter 2
pp.18 & 19
Translated by Matthew Ward
published by Everyman's Library, Alfred A. Knoph, Inc.
in 1993
As I was waking up, it came to me why my boss had seemed annoyed when I asked him for two days off: today is Saturday. I'd sort of forgotten, but as I was getting up, it came to me. And, naturally, my boss thought about the fact that I'd be getting four days' vacation that way, including Sunday, and he couldn't have been happy about that. But, in the first place, it isn't my fault if they buried Maman yesterday instead of today, and second, I would have had Saturday and Sunday off anyway. Obviously, that still doesn't keep me from understanding my boss's point of view.
I had a hard time getting up, because I was tired from the day begore. While I was shaving, I wondered what I was going to do and I decided to go for a swim. I caught the streetcar to go to the public beach down at the harbor. Once there, I dove into the channel. There were lots of young people. In the water I ran into Marie Cardona, a former typist in our office whom I'd had a thing for at the time. She did too, I think. But she'd left soon afterwards and we didn't have the time.
I helped her onto a float and as I did, I brushed against her breasts. I was still in the water when she was already lying flat on her stomach on the float. She turned toward me. Her hair was in her eyes and she was laughing. I hoisted myself up next to her. It was nice, and, sort of joking around, I let my head fall back and rest on her stomach. She didn't say anything so I left it there. I had the whole sky in my eyes and it was blue and gold. On the back of my neck I could feel Marie's heart beating softly. We lay on the float for a long time, half asleep. When the sun got too hot, she dove off and I followed. I caught up with her, put my arm around her waist, and we swam together. She laughed the whole time.
On the dock, while we were drying ourselves off, she said, 'I'm darker than you.' I asked her if she wanted to go to the movies that evening. She laughed again and told me there was a Fernandel movie she'd like to see. Once we were dressed, she seemed very surprised to see I was wearing a black tie and she asked me if I was in mourning. I told her Maman had died. She wanted to know how long ago, so I said, 'Yesterday.' She gave a little start but didn't say anything. I felt like telling her it wasn't my falt, but I stopped myself because I remembered that I'd already said that to my boss. It didn't mean anything. Besides, you always feel a little guilty.
By that evening Marie had forgotten all about it. The movie was funny in parts, but otherwise it was just too stupid. She had her leg pressed against mine. I was fondling her breasts. Toward the end of the show, I gave her a kiss, but not a good one. She came back to my place.
When I woke up, Marie had gone. She'd explained to me that she had to go to her aunt's. I remembered that it was Sunday, and that bothered me: I don't like Sundays, So I rolled over, tried to find the salty smell Marie's fair had left on the pillow, and slept until ten. Then I smoked a few cigarrettes, still in bed, till noon. I didn't feel like having lunch at Céleste's like I usually did because they'd be sure to ask questions and I don't like that. I fixed myself some eggs and ate them out of the pan, without bread because I didn't have any left and I didn't feel like going downstairs to buy some.
■ 『萌える異邦人 (2007年7月10日)』より
この上の文章の中で赤字にした部分が気になったのですよ。
どうしてですか?
僕は英語で小説を書く事については、ずいぶんと勉強したつもりなんですよ。僕自身も1000ページを越える英語の小説を書いたことがある。“How to write a saleable fiction” このような本を読むと、まず書いてありますよ。very だとか good のようなあまり意味のない、あいまいな単語は使わないようにとね。具体的に分かり易く書け、と書いてありますよ。確かに僕もその通りだと思って納得したのですよ。
それで、具体的に、どのように気になったのですか?
英語に翻訳した訳者はできるだけ原本に忠実に訳したと書いていました。I brushed against her breasts.この文は英語だと、あまりにも淡白で味も素っ気もないんですよ。“ブラシでこすった”と言うような、なんとなく喜劇じみた響きがあるんですよ。うへへへへ。。。僕にはそう感じ取れた。フランス語ならば、もう少し気の利いた単語を使って書いてあるのではないか?ノーベル賞をもらうほどの作家ですよ。
でも、別に“ブラシでこすった”訳ではないですわ。
もちろん、僕にだってその程度の事は分かりますよ。でもね、僕ならば、I felt her breasts(オッパイの感触を感じ取った).と訳しますね。ブラシのイメージが気になるんですよ。でも、これは個人的な感性の違いがあるから仕方ないとしても、but not a good one これはまずいと思いますよ。
どうしてですか?
説明になってないでしょう。簡潔かもしれないけれど、読者の立場になって訳すべきでしょう。“どうして良くないのか?” その事を簡潔に書くべきですよ。“でも良くなかった”と訳しても、読者には具体的な事は何も伝わらない。だから僕は“フレンチキスほどすごいやつじゃなかった”と訳したんですよ。具体的に。
very とか good という単語は使うべきではないのですか?
もちろん会話の中に出てくる場合は仕方ないでしょうけれど、普通の文章の中では使うべきでない、と言うのが北米の小説家の一般的な見解ですよ。つまり、あまりにありふれていて、あいまいで具体性に書けた言葉ですよ。小説家にとって言葉は命ですからね。もう少し個性的でフレッシュ感のある単語を使うべきですよ。
それで原文では、どのようになっていたのですか?