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さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

びっくりなニュース コロナ感染死に賠償命令?

2025-03-28 | 社会・経済



こんにちは
小野派一刀流免許皆伝小平次です

本当は前回に続き、兵庫県文書問題について、今どれだけメディアが酷い報道をしているか、第三者調査委員会の発表とその報道の差を書こうと思っていたんです

この問題は、本当に私達日本国民が日本人として今後どのように生きて行けるのか、それくらいに重要なことが今現実に起きている、それを少しでも発信したいんですが、次回にします

と言うのは、またまたびっくりなニュースが朝、目に飛び込んできたもので、そちらを先に記事にします

「コロナ対策不十分」 従業員が感染死、飲食店に7000万円賠償命令

なんと、飲食店勤務の男性がコロナに感染して亡くなったのは感染対策が不十分として、7000万円賠償命令が判決として出たそうです

なんですか? これ?

この男性は、まんぼう期間中の2021年7月、コロナに感染して亡くなったそうです

『判決は、この店が客同士の間にアクリル板を設置せず、20人ほどの客が宴会を開くことがあったと言及。「従業員が新型コロナに感染しないための措置を十分講じていなかったことは明らか。男性の生命、身体に危険が生じさせないようにする義務を怠った」と批判した』

いやいやいやいや いや!

亡くなられた方は気の毒なことと思いますが。。

真っ先に思うのは、どうして感染対策をしていなかったからと言って、この男性が店で感染したと言い切れるの?

理由は

『男性と同じ時期に他に3人の従業員に新型コロナ感染が確認されたことを挙げて、男性が店で感染したと認定』


だそうです

もう、なんか恐ろしくなります

以前、さくらもちさんがおっしゃっていて大笑いさせて頂いたんですが

『ウイルスは直進しかしないのか』

ほんとですよ

あんな上ががら空きのアクリル板でウイルスの飛散を防げるなんてこと、あるはずありません

『ウイルスは直進しかしないのか』

当然のことながら医師やその道の専門家の意見なんかを弁護士は詳細に集め、時に証人として呼んで「科学的知見」を求めたり、その結果こういう判決に至ったとは思うのですが、それでも絶対的に言えることは、全て推測だということです

もちろん、民事裁判ですから、出された証拠に基づいて推測からの判決はあるのですが、一体あのアクリル板、マスク、まんぼう、緊急事態宣言、それらがどれだけ感染対策として効果があったのか、少なくともその検証はなされていません

その上でこの判決は恐ろし過ぎます

『他に3人の従業員に新型コロナ感染が確認されたことを挙げて。。』

この店に何人従業員がいたかはわかりませんので、どの程度の確率から導き出されたのかはわかりませんが、7,000万円もの賠償金支払い命令を、こんな薄い根拠でよくも出せるものです

『大須賀寛之裁判長』

この方の名前は憶えておきたいと思います

従業員の安全を守る義務が店側にはあったことは確かですが、その義務とこの方の死亡にどう因果関係があったのか、そういう科学的な根拠って、到底今の時点でわかりようもないはずなんです

この判決がまかり通るのであれば、大勢の人が国を訴えればいいと思います

そもそも国に言われた通り感染対策をして、自粛して、まんぼうや百合子の緊急事態宣言に従って、それでもなお感染はどんどん広がっていたじゃないですか、そして死んでしまった人たちもいた

それなら国や百合子の感染対策が不十分だったってことですから、賠償しろって話ですよ

それくらい、どこで感染したかとか、基礎疾患の有無とか、年齢とか 個人差についても検証なんてほとんどされていない中でのこの判決は、何か別の意図でもあるのか、と勘繰りたくなってしまいます

店側が怠ったとされる感染対策、末期癌患者でも交通事故死でも、他に死因があって、尚且つコロナは発症していなくとも陽性だと言うだけでコロナ死にカウントしていたような、そんな非科学的な数字を元にした感染対策をやってもやってもその拡大はとまらなかった、それを店側が怠ったから亡くなった?

因果関係なんて証明できるわけないんです

それを使用者責任として8,000万円の請求に対し、7,000万円の支払い命令、ほぼ原告の完全勝訴

危険極まりない判決が下されたと思います

『他に3人の従業員に新型コロナ感染が確認されたことを挙げて。。』

因果関係がそんな程度のことで証明されるのであれば、ワクチン接種直後に亡くなった方なんて、ワクチンと死因は思いっきり因果関係があるじゃないですか

国はそれを逃げ続けているのに。。

それは別として、最後に亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます



御免!

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お笑い兵庫県 文書問題と橋下徹 

2025-03-25 | 社会・経済


こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です

何回か記事にしてきた兵庫県知事問題、今回昨年の3月12日に各方面に出回った、元県民局長の怪文書について、第三者調査委員会の調査結果が公表されましたのでそれに関して記事にしたいと思います。

この件について記事にする時、毎回言ってるんですが、小平次は斎藤さんの支持者ではありません

結果的に擁護するような記事にはなっていますが、もともと維新の人ですし、吉村大阪府知事とも近しく、万博からのカジノ構想などについて、大阪兵庫の港湾部の開発などで協調しているかもしれません、そうであればむしろ批判的な立場です

小平次がこの件をずっと取り上げているのは、今、日本が好き放題にやられている状況、政治家がもはや国民を憎んでいるんじゃないか、と思えるほど腐りきっている状況、それを大いに援護しているのがマスゴミと言われるテレビ、新聞などの大手メディア、その根っこが同じだと思うので取り上げています

そのメディアの言うことをそのまま受入れ、ワクチン何回も打っちゃう人がいる、これも根っこが同じなんだと思うからです

そして、事実の確認のとれないものを事実として誰かを糾弾する魔女狩り裁判を、国民同士でやるな、と思うからです

さて、今回、怪文書に書かれていた以下の斎藤知事他、県幹部の不正に関する7つの項目について要約します

①神戸大学教授、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長五百旗頭眞(いおきべまこと)氏が亡くなった原因

県関係組織のスリム化を進めていた片山副知事が各所の人事案を検討し、ひょうご震災記念21世紀研究機構の副理事長二人を解任すると五百旗頭氏に通告したところ、相当に憤慨し、通告から6日後に急性大動脈解離で亡くなった、斎藤知事、片山副知事の強権が五百旗頭氏の寿命を縮めた


②令和3年の知事選挙に際しての公職選挙法、地方公務員法違反

県幹部が知人などに斎藤知事への投票依頼などの事前運動を行ったことは、公職選挙法、地方公務員法違反にあたる、また、この県幹部が斎藤氏が当選後、人事面で優遇を受け出世している

③選挙投票依頼行脚

令和6年2月、斎藤知事が県産業労働部長を随行させ、商工会議所などに次の知事選での投票を依頼した

④贈答品の山(斎藤知事のおねだり、タカリ体質)

斎藤知事が『おねだり』をして、視察先企業から高価な物品を多数受け取っており、また視察先企業リストには、何がもらえるかを判断材料としての役得が列記されている
(例 コーヒーメーカー、自転車、ゴルフセット、スポーツウェア等の受け取り)


⑤政治資金パーティー関係

片山副知事ら県幹部が商工会議所などに補助金カットをほのめかし、知事の政治資金パーティー券を大量購入させた

⑥令和5年11月の阪神・オリックス優勝パレード協賛金のキックバック

片山副知事が、優勝パレードの資金の協賛金の拠出を県内信用金庫に依頼する際、各信用金庫への補助金を増額し、キックバックさせた

⑦パワーハラスメント

職員を怒鳴りつける、机を叩いて激怒する、幹部とのチャットで夜中や休日でも指示を出す、文房具を投げつける等々


さて、第三者調査委員会の調査結果として結論から言えば、①から⑥までは、但し書きが付いているものもありますが、事実として認められない、としています



細かいことを言えば、もっと詳しく事実と認められないことについて報告をされていますが、ダイジェスト版でも30ページ以上ありますんで、全てを書けません

怪文書の7項目中、6項目が事実してと認められないのであれば、この文書が公益通報であったかただの怪文書なのかは明らかで、兵庫県警が不受理としたのも当然のことと思います

第三者調査委員会は、公益通報者保護法違反を認定していますが、これはあくまでも弁護士の集まりの『第三者』の見解であり、テレビで有名な北村弁護士などは公益通報ではない、と言っています

これはもし追及するのであれば司法判断にまかせるほかありません
 
7項目中、6項目が事実してと認められなかったことについて、大手メディアはほとんど報道しておらず、パワハラが認定されたこと、公益通報保護者保護法違反のことばかりを嬉々として流し、斎藤さんの責任追及や辞職すべきでは、といった意味不明な報道が目立ちます

パワハラについては、16の事例の内、10がパワハラとして認定されましたが、これもおかしな話なんです

だって、あの百条お笑い劇場委員会、委員長の奥谷さん、調査の結果、知事からパワハラを受けたという人はいなかったと公式に発表したではないですか

その後もパワハラを受けたと証言する人は出て来ていません

受けた本人が申告もしていないのに『第三者』がパワハラを認定するって、これも意味が分かりません

これについて、最近になって急激に斎藤知事批判を強めている橋下徹さんがおかしなことを言っています

『橋下徹氏 「斎藤さんを支持している方に考えてもらいたい」→選挙で許される問題と許されない問題がある』


この中で橋下さんは

『勝手にパワハラだと認定するなと斎藤さん支持者が言っているんですけど、パワハラ認定は被害者の方がパワハラだと言わなくても客観的な基準で認定されます』

と言っています

もはや危険思想レベルだと思います

誰もパワハラを受けたと言ってもいないのに、『第三者』が勝手に認定する、それがまかり通ってしまえば、認定権者、時に為政者が自分たちにとって都合の悪い人間を葬り去ってしまうことができてしまいます

それがわかっているのか、橋下さんはこうも言っています

『職員の人は第三者委員会のヒアリングに対して『パワハラではありません』と言っている。パワハラだと言えないんです。パワハラですと言えないこの状況。これは斎藤さんが最初に告発者つぶしをやるときに事実無根だ、うそ八百だ、公務員失格だ。あんなことやったら職員は何にも言えなくなりますよ』

推測だけで断定するすごいこじつけだなぁ、と思います

こんな大問題になるパワハラが横行していたのなら、斎藤さんが失職した時とか、百条委員会で追及されていた時とか、その時に訴え出れば再選はなかったでしょうに。これだけの大組織で、誰一人それをしないなんて普通考えられませんよ

どんだけ兵庫県庁職員はビビリなんですかね、そんなビビリばかりのはずないじゃないですか

ここのところの橋下さんの斎藤さん叩きは、ちょっと無理筋に見えます

元々大阪万博って橋下さんが言いだしたんですよね

なんか自分の利益享受を吉村さんと斎藤さんに妨害でもされたんですかね

なんせ橋下さんは以前

『嘘を平気で言う。ばれても恥じない。信用できない。約束を果たせない。自分の利害に関わることには理屈を考え出す』

と裁判で認められてしまったことがありますので



御免!



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韓国の中高生すごいな、頑張れ!

2025-03-17 | 社会・経済


こんにちは
小野派一刀流免許皆伝小平次です

一昨日、N党の立花氏が財務省解体デモに顔を出し、支持者の方々と記念撮影をしていたところ、男に鉈で襲われ重傷を負った、というお話、ちょっとこのことでお話しようかと思ったんですが、兵庫県議会問題が連続しちゃうんで、次回か、また別の機会でお話しようと思います

さて、前にちょっと記事で申し上げたんですが、韓国で今何が起こってるんでしょうか?

日本のメディアは詳細を報道しているようには見えませんし、今回記事を書こうと調べていると、ユン大統領が出した『非常戒厳』に対し抗議し、罷免を求めるデモの記事ばかりが目立ちます。

相変わらずテレビや新聞の情報だけでは、上に貼った動画のような全く逆のムーブメントがそれなりの規模で起きていることはわかりません

今回貼った動画は、なんと中高生を中心としたデモだそうで、動画の5分20秒過ぎくらいからマイクをとった女の子の演説が圧巻です

その部分だけ文字起こしします

『韓国の教育は中立性を無くし、左派に教育が支配されている状態です』
『その中心には全国教務員労働組合、全教組があります(日教組のようなものですかね)』
『全教組は韓国の歴史を歪曲し、自由民主主義の価値を崩し、生徒たちを特定政治勢力の道具として利用しています』
『自分たちの理念と合わない歴史的事実は教えもせず、不都合な真実は隠蔽します』
『尹大統領の弾劾賛成を生徒に促す教師もいます』
『学生の皆さん、私達がやることは何ですか? 私達は韓国の未来の責任を担ってる世代です』
『私達は正しい歴史と真実を学ぶ権利があります』
『私たちが沈黙してたら反日教育は続きます』
『自由民主主義を守るため、一緒に戦いましょう!』

すごいですね、十代の子供が『私達は韓国の未来の責任を担ってる世代です』って中々言えません
前大統領の文在寅、小平次は大統領選挙の時からこの文在寅だけはダメだと思っていたんですが、残念ながら大統領となり、おそらくそれまで以上に北朝鮮勢力が韓国国内でより力を持ったように見えます

ユン大統領が当選し、これで少しは日韓関係も正常、小平次の言う日韓関係の正常とは、お互いあまり期待し合わず、適度に距離を取り、軍事、経済である程度の協調をしている形、それが割と上手く行き始めていたように見えていたんですけど、そのユン大統領がいきなり『非常戒厳』、よほどのことがあったんだと思いますが、どうにも真相がわかりません

この子供達のデモを含め、ユン大統領支持派のデモなどが功を奏したのかはわかりませんが、とりあえず大統領は釈放され、他に弾劾訴追を受けていた検事ら4人の訴追は棄却されたそうです

ユン大統領自身の審判の結果は、今月の下旬になるそうです

すごいな、って思います

今の財務省解体デモもそうですが、その善し悪しは別として、ちゃんと報道すれば多くの人が考えるきっかけにはなると思います

韓国でも、ユン大統領支持派のデモは、かなり大規模なものでも主要メディアでは報道されていないようです
何故か日本のメディアも、反日的な左派支持派のデモの記事ばかりが目立ちます

さて、冒頭の立花氏襲撃事件、犯人は殺そうと思っていた、と言っているそうです

その理由が『議員を自〇まで追い込んだ』からだそうですが、竹内県議が亡くなったのは自〇で確定しているわけではありません、遺書もありませんし

ましてや立花氏の言動行動との因果関係なんてわかりようもありません、だってもう本人が亡くなっているんですから

それをさも立花氏が追い込んだかのように報道してきたTBSの報道特集、そういう何の確証もないまま報道してきたTBS、そんな報道を見て

『殺そうと思った』

立花氏の支持不支持はともかく、もはやその偏向ぶりは看過できません

ネットは諸刃の剣、の部分もありますが、情報を得ることはできます、その得た情報をどう消化するのかが大事ですが、韓国の中高生がネットなどの情報を自分たちなりに消化し、『真実の歴史を教えてほしい』と力を合わせ声を上げる、

『頑張れ!』 

と普通の大人は思いますが、韓国の左派の大人たちは、子供達のデモに車を突っ込ませたりして妨害しているそうです

『私達は韓国の未来の責任を担ってる世代です』

小平次もそういう世代に委ねる、そんな大人でいたいと思います


御免!


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インド珍道中 2度目のインド⑧「いざ!プリー再び」

2025-03-06 | 2度目のインド

画像引用元 そうだ、世界に行こう。バックパッカーの登竜門!インドの寝台列車あるある10選


こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です

以前連載した『インド放浪・本能の空腹』、あの時のインド訪問から6年後、私は再びインドを訪れました。

会社勤めをしておりましたので、2週間ほどの短い期間でしたが、まあまあ、色々な出来事がありましたので、その時の様子をまた日記風につづって行きたいと思います

前回は、前橋が赤ん坊を抱いた物乞いの女性にあめ玉を渡し、すごい形相で睨まれて、ショックを受けまた一人芝居でその女性に言い訳してる姿を私が見てしまい、2日連続で大笑いさせてもらった、というお話でした

では続きです

******************************************

 プリー行きの夜行列車の切符を買い、翌日、おれにとって人生最大級の思い出の街、プリーに向けてカルカッタを旅だった。一等列車は快適で、おれと前橋の他、ついぞプリー到着まで他の客は来なかった。早朝、カルカッタの喧騒と混沌がウソのような、全く正反対ののんびりとした街、プリーに到着した。

 駅前は6年前と全く変わっていなかった。数人のサイクルリクシャー引きの男たちが、やわらかでやさしく、ふわふわとするような陽ざしの中、特に客引きをするでもなくのんびりと座っていた。

『あああ、懐かしい…、プリーだ、帰って来た。。』

 おれは言葉にできない複雑な感動を覚えた。

『話してた友人、バブーの伯父さんが経営してるホテル、前回ずっと宿泊してたそのホテルへ行こう』

『道は覚えてるのか?』

『ああ、忘れるわけない』

 駅前から通りに出て右に曲がる、後は一本道、ずっと西へ向けて歩けばそのホテルだ。バブーの伯父に会えばバブーともすぐに会えるだろう、おれはそう軽く考えていた。

『この道からどこか左に曲がれば海がある、後で行ってみようぜ、白い砂の広い海岸線、すごく綺麗だから』

『おお、楽しみだな、それにしても、お前の言ってた通り、カルカッタとは天国と地獄くらいの違いを感じるよな』 

 そう、あの混沌と喧騒の極みのような街、ゴミだらけの汚い街、カルカッタからここに来ればだれもがそう感じるだろう。

 ほどなくして、おれが以前泊っていたホテル付近に着いた。だが、おれの目に焼き付いている黄色とスカイブルーの壁の、あのホテルが見当たらない、おれは記憶を頼りにその道をもう少し歩いてみる。

『いや、ここの角までは絶対に来ない、駅からだとこの手前にあったはず。。』

『道間違えてんじゃないのか?』

『いや、絶対にそんなはずはない、やっぱりここにあったはずだ』

 おれたちは角から引き返し、あのホテルがあったはずの場所まで戻った。そこには見覚えのない小さな建物があるだけだった。

『うーーん…。』

 ちょうどそこへ通りかかったサイクルリクシャ引きの若い男を呼び止めた。

『ここに、以前黄色とスカイブルーの壁のホテルがあったと思うんだけど、無くなったのかな?』

『ああ、そのホテルは去年無くなって、家族もどこかへ引っ越したよ』

 瞬間、実際にそんな経験は無いが、スタンガンを当てられたような電気ショックがおれのつま先から頭のてっぺんまで走った、ような気がした。あの、とろんとした目をしたオーナー、将来確実に美人になるだろうと思えた3歳の娘マリア、オーナーの奥さん、二階のバルコニーでご馳走を振る舞ってくれた時の思い出、おれの部屋に勝手に入り込みバッグを物色して楽しそうにするマリアの笑顔、まさしく走馬灯のようにあの時の記憶がおれの頭を駆け巡った。

『そんな。。。』

 本当にショックであった、こんな場面は全く想定していなかった。そんな姿のおれにサイクルリクシャー引きの男が言った。

『他のホテルに行くなら乗って行くか?』

 まあ、いくらショックを受けたとて、この状況は変わらない、おれは一縷の望みを託し、男に言った。

『ここにあったホテルのオーナー、その甥っ子でバブー・ドラって言う男がいたんだけど知らないかな?』

『その男は知らないな、でも、そういうことに詳しい男なら知っているよ、その男はいつも海岸線のホテルの裏庭でカードで遊んでいる』

『じゃあ、そのホテルに宿泊するのでそこまで行ってくれ』

 おれと前橋は座席に乗った。ホテルが無くなっていたことはショックだったが、おれはこの旅行の直前まで心を病んでいた、それでもこうして自転車に引かれながら風を切って走っていると、やはりここに来て良かった、心底そう思えた。

 男が案内してくれたホテルは、コンクリートがむき出しで塗装もしていないが、5階建てのそこそこ立派なホテルであった。フロントで料金を聞くと500ルピー、まあ悪くない、そのホテルに宿泊することにした。部屋は3階であった。部屋の前から海が一望できた、悪くない。おれと前橋は部屋に荷物を放り込むと、すぐにサイクルリクシャー引きの男が言っていた裏庭へと急いだ。

数少ない自分で撮ったホテルからの写真

 裏庭は、少しの芝生と背の低い数本の木があるこじんまりとしたところであった。そしてそこには、カードゲームに興じていた五人ほどの男達がいた。少しの間、その光景を眺めてからおれは男達に尋ねてみた。

『すまないけど、だれかバブー・ドラ、と言う男を知らないかな』

 すると、カードを手にしたまま、芝生に横になっていた髭面の男がこっちを見て答えた。

『バブー・ドラなら知っている、何か用か』

『実は、ボクは6年前にこのプリーにしばらくいたんだけど、その時バブー・ドラと友人になった、だから会いたいんだ、彼の伯父が経営していたホテルが無くなってしまっていて困っている』

 髭面はカードを伏せ、横になったまま尋ねてきた。

『君の名前は? いつまでここにいる?』

『名前はコヘイジ・サワダ、多分そう言えばバブーはわかると思う、プリーには一週間いるつもりだ』

『わかった、ここに連れて来てやる、ルームナンバーを教えてくれ』

 おれはルームナンバーを書いたメモを渡し、礼を言ってその場を去った。そして、メシを食うために、あのシメンチャローが働いていたレストラン『ミッキーマウス』に向かった。

『良かったなあ小平次!でもあのオヤジ、本当に連れて来てくれるかな?』

『さあ、どうだろうな…。』

 そう、インドを旅行した人はよく『インド人は噓つきだ』と言う。だが、長く旅をしてみるとわかることがある。ごく普通のインド人は基本的にはシャイだ、普段外国人と話す機会なんてそうはない、そんな人たちに道を尋ねると、どうにか自分が役に立ちたい、そう思って、本当はロクに知らないのに答えてしまうのだ。中々一般の日本人の感覚からは理解できないが、確かにそうなのだ。だからおれは、大きな期待は寄せず、会えたらいいな、くらいの感覚で待つことにした。

 さて、6年前良く通った『ミッキーマウス』はまだあるだろうか。12歳だったシメンチャローは18歳になっている、おそらくは『ミッキーマウス』ではもう働いていないだろう。シメンチャローにも会えたらいいな、それもあまり期待せず、おれは前橋と海岸線の通りを東に歩いて行った。

 6年前のシメンチャロ―




**********************************つづく
今回は日記をつけていなかったので、細かいことは忘れてしまっていて、どうしてホテルが無くなってしまったのか、潰れてしまったのかとか、覚えていないんですけど、割と裕福だったバブーの伯父家族、綺麗な制服を着て幼稚園へ通っていたマリア、ちょっと胸が締め付けられたことはよく覚えています。

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OSZAR »