圓通寺を出た後、楽しみにしていた場所に向かいます。
その場所とは、有名な心霊スポット、もとい天然記念物の深泥池(みぞろがいけ、通称みどろがいけ)。
深泥池は小さい池ですが、氷河時代の名残が残る貴重な場所。
池の1/3を占める浮島の下は水の層があり、浮いています(だから浮島)。
そして、今も古生代の水生植物を始めとする珍しい植物が残っています。
圓通寺から深泥池に向かう道には、府道40号線と檜峠を通る道があり、今回は後者を選びました。
(選んだというより、Googleマップさんに指示されたのですが)
結果的にはそれが大正解!
深泥池の西側ギリギリを通る道路なので、日頃見ない方向から池を見渡すことができました。
そして、一番に目を引いたのがこちらです。
湿原の中央部、白くなっているのがお分かりでしょうか。
何が咲いているのでしょう。
わお!話だけ聞いていた白いカキツバタが満開です!
池の西南部分には岸辺まで咲いていて、近くでじっくり見ることができました。
真っ白かと思ったら、少し花の根元が紫色なんですね。
知らないで見たら園芸種と思ったかもしれません。
あら、湿原にアオサギがいました。
人は入れませんが、鳥たちは悠々。
最近シカは駆除されているそうですが、どうなっているのでしょうね。
いつもの場所(池の南端)にも白いカキツバタが咲いていました。
そして、駆除対象になっている外来種の黄色いショウブ(キショウブ)と混在・・・
植物の世界ではグローバル化はご法度のようです。
おや、あのセリ科の花はなんでしょう。
ううむ、こいつはドクゼリらしいです。
食べるわけではありませんが、「毒」と言う名前を聞くとちょっと引きます。
池の南東にあるシカ除け用の入口から散策路に入りました。左にシカよけネットが見えています。
歩き始めてしばらくすると、モチツツジが沢山咲いていました。
次に現れたこちらの木。目を凝らすと花が咲いているようです。
さて何か分かるかな~
小さいコメツブのような白い花がびっしり!
答えは、ネジキ(ツツジ科ネジキ属)。
その名の通り、幹の縦模様がねじれていることから名付けられましたが、写真撮るの忘れた・・・
次に沢山咲いていたのがこちらです。
蕊蕊しい小さい花が沢山!そして何より分かり易いのが所々混じっている赤い葉。
カナメモチ(バラ科カナメモチ属)です。
カナメモチは地元にも沢山生えているので、見間違えません。
近くで咲き始めていた白い花。
こちらも最初カナメモチかと思ったのですが、どうも違います。
これはいったい・・・
(つづく)
【撮影:2025/5中旬 京都市北区】
昨今のインバウンドの隆盛により、京都では日本人より外国人の方が多いように見えます。
ところが、場所によってはまだまだ静かに京都の風情を楽しめる場所もあるのです。
先日大原三千院に行って以来、寺院の庭園もいいなぁと思うようになりました。
そこで、前から気になっていた圓通寺に行ってみることにしました。
公共交通機関で行く場合は、京都市営地下鉄の終点国際会館駅から京都バスで5分程度です。
(といっても、このバスが1時間に1本しかないのですが・・)
圓通寺と言ってもご存知ない方も多いのではないでしょうか。
(かく言う私もそうでした)
圓通寺は元々は江戸時代初期、後水尾天皇が造営された幡枝離宮でした。
後に後水尾天皇が修学院離宮に移られたあと、臨済宗のお寺に改められ、霊元天皇の勅願寺になったそうです。
一番有名なのが、比叡山を借景とする枯山水庭園で、こちらを拝見するのを楽しみに出かけました。
説明はこのくらいにして、早速行ってみましょう。
西幡枝(円通寺)バス停より白壁沿いの道を進みます。
ほどなく、圓通寺の寺域に入る門が現れます。
咲き残っていたツバキなどを愛でながら
拝観受付で拝観料をおさめ、お寺に入ります。
内部は正面の庭園以外一切撮影禁止。残念!
なのでいきなり枯山水庭園です。
正面に見えるのが比叡山。手前が枯山水庭園。
お住職様の説明(テープ)によると・・・
京都にはこのような借景の庭園が沢山ありましたが、今はほとんど失われてしまいました。
というのも、後ろの景色とお庭の間にビルなどが立ってしまったから。
そこでこの景観を守るため関係者が働きかけ、京都市に「眺望条例」が成立したそうです。
圓通寺周辺もその対象となり、無事未来にわたって美しい借景が見られることになりました。
柱と縁側を入れて。この縁側に座ってお話(テープ)を伺っていました。
そして、手前のお堂も入れて撮った写真がこちらです。
雰囲気しか分からないと思いますので、ぜひご自身で行かれることをお勧めします。
庭園の石にご注目。
お庭に配置された石はどれも紀州の海岸の石で、見えているより何倍も下に埋め込まれているそうです。
京都の北部の山のすそ野に位置するこの地まで、どうやって大きな石を運んだのでしょう。
そして見事に一直線に剪定されたこちらの生垣。
なんとこの生垣には50種類もの木々が使われているそうで、その技術はすごいと思いました。
ここから先は、建物の外の鐘楼やお庭などです。
遠目にナツツバキかと思ったのですが、ナツロウバイでした。
ナツロウバイが咲いていた庭
となりには鐘楼。青もみじが綺麗でした。秋もいいでしょうね~
突き当りは「柿落葉 踏みてたずねぬ 円通寺」(高浜虚子)の碑
左手にあったのは、勅使門。(内側から)
弁財天をお祀りした弁天堂
シランが綺麗!
これだけ見て回る間、拝観者は私一人。
念願叶い、静かに京都のお寺で過ごすことができました。
続いて、ここから徒歩20分の深泥池に向かいます。
【撮影:2025/5中旬 京都市左京区】
なぜか週末ごとに雨が降ります。
空とにらめっこし、ようやく雨が上がった午後、久しぶりに山科川にお散歩に行きました。
前回投稿したのは4月中旬、ソメイヨシノが満開の時でした。→
その桜並木、今はこんな感じで緑の葉がぼうぼうと覆いかぶさっています。
左手の少しベージュに見える木は・・・
クスノキの花です。
地味な花ですが、これだけ沢山咲いているとかなり目立ちます。
近くで咲いていたセンダン。今がまさに満開!
しかも雨に洗われてスッキリ綺麗です!
カリンの実も膨らんできていました。
こちらはシャリンバイ。随分沢山咲いています。
この辺りはカワラバトが沢山います。
餌をやる人がいるのでしょう。
この日はベンチもボトボトだったので、ハトたちは自力で餌探し。
見ていて面白かったのが真ん中の首が膨らんだハト。
求愛行動で膨らませることもあるようですが、こちらは明らかに威嚇中。
「オラオラ!」と言うように、周りのハトを蹴散らしていました。
空にはまだまだ雲がかかっていますが、少しだけ明るくなってきたようです。
久しぶりに川の水も増えています。
そんな時、誰かの目線を感じました。
山科川に常駐しているネコがこちらを見つめています。
と思ったら、何かを見つけたのでしょうか。姿勢を低くして歩きだしました。
それにしてもいい体格、いい毛並みですね。
しっぽがふわふわで、触ってみたいです。あれ、あそこには・・・
もう一匹いました。こちらは三毛猫なので、メスですね。
ここにいるネコたちはみな綺麗で、のんびりしています。
さらに上流に行きましたが、何も咲いていなかったのでそのままUターン。
すると、先ほどはいなかったのですが、カモの姿を発見。
いえ、ただのカモではありません。
なんと子連れです!
最初カルガモかと思いましたが、お母さんの顔が明らかに違います。
この地味めの顔はマガモ。何と、マガモが山科川で繁殖していました。
暗いし、対岸やし、全然ボケボケですが、夢中で撮りました。
この日は雨でかなり水の勢いが強かったのですが、無事お母さんとはぐれなくて良かったです。
そろそろ休憩。この後、お母さんも子供も草むらの中に入っていきました。
【撮影:2025/5中旬 京都市伏見区】
京都駅からほど近い梅小路公園は、通勤途中に寄り道できるお散歩場所です。
初夏の花も咲いてきた頃合い、どんな感じか歩いて見ることにしました。
線路脇の大きな木、さりげなく横にJR221系統列車が写り込んでいるのはご愛敬です。
見上げてみました。もうお分かりですよね。
比較的なめらかな木の肌はまるで象の皮膚のようです。
見上げると緑の実が沢山!
葉柄から葉の先に向かって3本の脈が目立つこちらの木は、ご存知エノキ(アサ科ニレ属)です。
いつものちいさい水辺には、いつものメンツがいました。
眠そうなアオサギの若。
すっくと立ったマガモ。ここでも越夏しようとしているのでしょうか。
ここにもツルニチニチソウ(キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属)。
ところかまわず生えている印象です。
目線を上げると、白い花が咲いている木がぽつぽつ。
やっぱり!エゴノキ(エゴノキ科エゴノキ属)が一杯咲いていました。
暗かったので写真が軒並みボケボケでしたが、何本も木を見つけました。
花の時期にならないと分からないものですね。
こちらの花はなんでしょうか。
GL先生に聞いてみると、ピラカンサ(バラ科)と出てきました。
ピラカンサの仲間には、トキワサンザシ、タチバナモドキなどありますが、どれかは分かりません。
そういえば、以前この辺りに赤い実が生っていたのを見た気がします。
続いてこちらの花は、ザ・ウツギのウツギ(アジサイ科ウツギ属)です。
咲き始めだったからか、花弁は純白、蕊は綺麗な黄色でした。
宇治川畔などでも沢山咲くので、見に行ってみようかな。
この先には鉄道博物博物館がありますが、ここでお散歩は終了です。
博物館の柵の外側の歩道にはユリノキの並木があり、以前新葉をご紹介したことがありました。
今では青々葉が繁っています。
そして、いいタイミングでした。
ユリノキ(モクレン科ユリノキ属)に花が咲いていました!
チューリップツリーの名の通り、カップ型の可愛い花です。
よく見ると、どの花にも下にびろんと黄緑色のタケノコの皮のようなものが垂れています。
不思議に思い、花の作りを調べてみました。
どれも頭の上に花が咲いているので花の中を覗けなかったのが残念ですが、
ユリノキの花弁は6枚(内側3枚、外側3枚)で、オレンジの帯のような模様があります。
最初は黄緑色の花弁が徐々に黄色に変わってくるようです。
そして、気になるタケノコの皮のようなものは花被片で、こちらも3枚あります。
花弁と萼片を合わせて花被片と言うので、「ユリノキの花被片は9枚」と説明されていることもあります。
花被片がない方がすっきりした花が撮れると思って探していた私はアホでした。必ず付いています。
マイアルバムを確認してみると、梅小路公園には1ヵ月に1回くらい訪れています。
何かしらの変化があるので、これからも月一くらい定点観察してみることにします。
【撮影:2025/5中旬 京都市下京区】
宇治市植物公園早回り、今日は春のゾーンからです。
クンクン、歩いているとどこからともなく漂うバナナの香り。
これはもしや・・・
やっぱり!
小さい木でしたが、カラタネオガタマ(モクレン科モクレン属)の花が咲いていました。
花は見たことがなくても、この香りをかいだことのある人は多いのでは。
この時期の風物詩ですね。
え、何?ヤグルマギク?
こちら、春にはハナナ、夏にはヒマワリ、秋にはコスモスが咲き乱れる花壇に植えられていました。
まだ蕾が多く、ひょろんと伸びた茎があっちこっち向いてなんだか雑然としています。
一斉に咲いたらどんな感じになるのでしょう。
春のゾーンに花がなかったので、一気に夏のゾーンに突入です。
夏のゾーン=修景池。ラクウショウの緑の羽が目に痛いくらい美しいです。
修景池も、早春の茶色から一気に緑が濃くなりました。
修景池には今何の花も咲いていません。オオヨシキリは盛んに囀っていましたが姿は見えません。
ガッカリしている私を憐れんだのか、ナナホシテントウが出てきてくれました。
収穫ナシで今度はハーブ園へ。
途中に鎮座する兎のペーター君。随分体格が良くなったね!
恐竜くんたちもお元気で何より。
ハーブ園で一番咲いていたのがラベンダーです。
上に兎の耳のような花弁が出ているのはフレンチラベンダーですね。
濃い赤紫色の花が気に入りました。
オシャレな感じですね~
恐竜くんもラベンダーと一緒に・・・
ボリジが満開。
一輪だけピンクの花があって、目を引きました。
この毛深さも素敵です。
タペストリーと鯉のぼりを上からみたところです。
何度見でもこの鯉のぼりの吊るし方、笑えます。
なお、今回省略してしまいましたが、園内いたるところに色々な季節の園芸種が植えられています。
バラ園の花もかなり色々咲いていました。
行かれたら満足すること請け合いです!
これで宇治市植物公園早回りはおしまい。
最後に・・・
フラワーブリッジ入口手前にある大きなトチノキに花が咲いていました。
水がとても好きで、暑さが苦手なトチですが、この木はいつ見ても生き生きしています。
毎年沢山花を咲かせ、沢山の実を付けます。見ている私も元気を貰えます。
皆さんにも元気をお裾分け!
【撮影:2025/5中旬 宇治市植物公園】