滅多に押さない義母。
たびたび鳴るけれど、それは
うっかり触ってしまった場合が多く
慌てて飛んでいくと
「え、なに?押してしまった?」と
本人全く気づいていない。
前日の夜、何かご機嫌斜めで
食事をほとんど摂らずに休んだので
昨日の朝はちゃんと起こして、
みんなと一緒に朝ごはんを食べた。
自分で食べてくださいよ〜、と
茶碗とフォークを持たせて
おかずは茶碗の中に入れてあげた。
…やや、いつもより
ご飯を多めによそったかな?と思ったが
ゆっくり、時間をかけて、
なんと完食!!!
休むと言うので、ベッドに寝かせると
10時ごろ、ブザーが鳴った。
義母はベッドから出て
柵に手をかけ、立っていたので、
誤操作かな?と思いながらも
「どうしました?」と聞いたが返事なし。
「トイレ行く?」と言うとうなづいたので
歩行器を使って誘導するが
途中でよろけて危なく倒れそうになる。
便座に座らせ、様子を見ていると
歩行器に頭を埋めて
ううー、ううー、と唸っている。
ん、どうした?と覗き込むと
ほっぺを膨らませ、吐きそうな表情。
ちょっと待って!と洗面器を取りに走る。
…間に合った!
ケポ、と少量戻す。
座っている体力無さそうなので、
部屋に行きましょう、と
リハビリパンツを上げようとすると…
ぎゃっ!
ウンしてるじゃないか!
軟便。
量は多くないが、私にとって
義母のウンの始末は初体験。
とにかく、ベッドへ。
寝かせて、リハビリパンツを破いて脱がせると
結構ベロベロに汚れてるじゃーん!
「痛いー!!痛いっ!!」と騒ぐ義母。
「痛くないわ!レントゲン撮っただろ!」と
毒づく夫。
介護元年。
初めてのウンの始末はわからないことだらけ。
ウエッティは冷たかろう。
紙で拭いたら熱めのお湯でタオルを絞り、
お肉のひだをかき分けて綺麗に拭く。
えっ!
まだ肛門にウンが詰まってるじゃーん(汗)
素人が掻き出しちゃーダメだよね、
一旦しまおう(笑)
さて、新しいオムツを履かせようにも
お尻がガンとして動かない。
夫を呼んで、二人がかり。
ちょっとは自分で動いてよーーー!!
午後から、訪問看護の契約で
看護師さんが来てくれることになっていたので
相談しようっと。
この日来るのは男性看護師って言ってたなあ。
初日からこんなお世話をお願いするのも気の毒だし
義母の羞恥心は大丈夫か?
、、、なんて思ったのは素人だった。
契約の後、話をすると
的確な指示で必要なものを用意して
「やりましょう」と、即座に処置に入る。
レンタルしたばかりの介護ベッド、
役に立ったなあ。
あんなに上まで動かして使うのか。
摘便、洗浄。
おむつの交換も、何の文句も言わせずに
手際よく完了。
ものすごい量の、ウンが出たらしい。
それにしても。
…さっきの、私たちの、
悪戦苦闘はなんだったのか。
プロってすごい。
ほんとにすごい。
ああいう仕事の人がいて、
世の中みんなが助かっているんだなあ、と
しみじみ夫が言う。
声を荒げることもなく、
やさしく、やわらかく。
本当にいい人だ。
私の言うことは絶対に聞かない義母。
痛い!とか寒い!とか
文句ばかり言うから
こっちだってつい、大きな声を出したくなる。
そりゃあさ、慣れてないから
下手くそで痛いこともあるだろうけど〜
ありがとうとかすまないねとか、
何が言っても良くないですか?
訪問看護。
契約を決めた時には
そんなに必要ないかも、くらいに思っていたが
お願いしてよかった。
ケアマネさん、ありがとう。
そして、
後日談、あります。